空と海の間で響くローカルボイス──ケアンズのラジオ事情を徹底解析!

Research

何局聴ける?――ケアンズの放送インフラ

ケアンズ市街をカバーする Yarrabah 送信所からは FM 約20波+AM 6波=計30前後の無料チャンネル が発信されている。系列別には ABC・SBS の公共ネット、商業局(Star 102.7/Hit 103.5/Triple M 99.5 など)、コミュニティ局(Cairns FM 89.1)、宗教・TAB系 narrowcast も含むため、人口15万人規模としては高密度。worldradiomap.com

人気番組と聴取率――2024年調査

Xtra Insights が実施した Cairns Survey 1 2024 では、総合聴取シェアトップは ARN 系列 Star 102.7(シェア26.1%)。朝帯では 「Johnny & Inkie Breakfast」 が 28.4 % と他局を大きく引き離した。次点は SCA 系 Hit 103.5(16.7%)、続いて Triple M 99.5(16.3%) が急伸している。radioinfo.com.au

注目ポイント

  • Star 102.7 は全時間帯で首位を維持。
  • Triple M はローカルスポーツ枠「Rush Hour Drive」で 17.8 % と時間帯トップ。

オンラインラジオとのシェア争い

Edison Research「Infinite Dial 2025」によれば、オーストラリア全体で オンライン/ライブ配信ラジオ利用率は27%、ポッドキャスト月間利用は48%。一方で従来型放送(AM/FM+ストリーム含む)の到達率は依然81%に達しており、「電波+IP」のハイブリッド視聴が主流化している。commercialradio.com.au

ケアンズでも Star 102.7 や Hit 103.5 が自社アプリ・スマートスピーカー経由の同時配信を強化し、リスナー合計を押し上げている。逆にネット専業局(Spotify DJステーションなど)はローカルニュースを持たないため、朝の通勤・学校送迎時間帯は地元局 が依然優勢だ。

デジタル化の現在地――DAB+はまだ「これから」

DAB+ (Digital Audio Broadcasting Plus:地上デジタルラジオ放送の国際規格の一つで、従来のアナログAM/FM放送よりも高音質かつ多チャンネルで放送できる最新のラジオ技術)は現在シドニーなど 8 都市で商用化済みだが、ケアンズは導入候補リストに入りつつも未開局。よって 高音質多チャンネル=ネット配信、移動中=FM/AM という二層構造が続いている。digitalradioplus.com.au

日本のラジオとの違い

観点ケアンズ/豪州日本
放送局数30局前後(人口15万)47都道府県計 約100の民放+NHK
デジタル化DAB+未開局、アプリ同時配信が主流ほぼ全国で radiko (IP同時配信)
聴取率トップ地域局の朝ワイド+スポーツ全国ネット深夜帯(ANN、JRN 系)が強い
オンライン利用ラジオ配信27%、ポッドキャスト48%radiko普及でシニアも約80%利用news.radiko.jp
広告規制賭博・アルコールCMに時間帯規制タバコ全面禁止、アルコール緩め

ケアンズではチャンネル数が多いぶん マルチチャンネル編成(同一周波数内でスポーツ専用、副音声音楽など)が浸透。日本の地上波はマルチ編成が限定的で、オンライン移行(radiko)に比重が置かれている点が大きな相違だ。

今後の展望と課題

  1. FAST型ネット局(無料広告付きストリーム)を地元テレビ局が参入予定。
  2. 5G/Starlink 普及で郊外・離島のストリーミング聴取が急伸。
  3. DAB+導入が実現すれば、ニッチ音楽や多言語サービスが増え、多文化都市ケアンズの個性がさらに強調される。

まとめ

  • ケアンズは 無料30局規模のローカル電波網 を持ち、Star 102.7 が聴取率トップ。
  • オンライン音声のシェアは放送波を猛追するが、ライブニュースとスポーツは地元局の牙城。
  • DAB+は未導入ゆえ「FM/AM+ネット」のハイブリッドが当面続く。
  • 日本と比べると 局数密度・マルチ編成・規制スタイル が大きく異なり、リスナー行動も「量よりローカル情報重視」という特色が際立つ。

今回のおまけ:防災ラジオ!https://amzn.to/406jYhy

コメント